組織・研究者一覧(所属別)
生命環境科学系
池内 昌彦(いけうち まさひこ)
光合成・光生物学・ゲノム生物学
植物のモデル生物であるシアノバクテリア(藍藻)を用いて、光化学系複合体の構造と機能、環境変化に対するダイナミックな応答や走光性にかかわる受容体・シグナル伝達・転写因子などの分子生物学的解析、シアノバクテリアゲノムのバイオインフォマティクス解析、光合成生物の適応と進化の分子レベルの研究を進めている。
生物系
佐藤 直樹(さとう なおき)
植物機能ゲノム学・比較ゲノム進化学
「生命とは何か」という問いに対して、葉緑体を全生命システムの最も単純な縮図と考えることにより、細胞の構造・機能・進化から答えるため、計算(バイオインフォマティクス)と実験の両面から研究する。主に、ミトコンドリアとプラスチド、シアノバクテリアを扱う。前者では、比較ゲノム解析ソフトGclustの開発、系統プロファイリング、光合成生物のゲノム進化解析を、実験では、オルガネラのDNA複製と転写、核様体の分子構築、オルガネラ分裂、光合成などを扱う。
生物系
情報系
学際・複合系
箸本 春樹(はしもと はるき)
細胞生物学
色素体の分裂と伝播の機構の研究。 1.色素体分裂装置とその関連構造の微細構造の解析。 2.灰色藻Cyanophora paradoxaのcyanelle(原始的な色素体)の分裂機構の研究。 3.二次共生起源の色素体をもつ藻類(真眼点藻や珪藻など)での、色素体分裂および細胞分裂における核?色素体連合体の動態の解析。
生物系
渡辺 雄一郎(わたなべ ゆういちろう)
植物環境応答学
植物は環境変化、病原体などの環境ストレスの脅威をつねにうけて、生き延びている。その際に、種々の低分子RNAが遺伝子制御に関与していることが明らかとなった。その生成機構あるいはRNAサイレンシングによる生物現象を、RNA分子生物学、細胞学、遺伝学などをもちいて多角的に解析している。動物にも共通にみられる現象がみえている。
生物系
黒田 玲子(くろだ れいこ)
分子認識・キラルな形態の識別と創製
巻貝の巻型を決定する単一遺伝子の同定と左右決定機構の解明を分子生物・細胞生物・遺伝学的手法で進めている。また、ホモキラルな生命世界の謎の解明に向けて、固体状態における分子のキラリティーの認識・創製・増幅・転写を化学的に(有機合成、構造解析、熱分析)研究。さらに、固体状態のキラリティーを測定できる装置を開発し、アルツハイマー病などの研究に応用している。
化学系
生物系
学際・複合系
川戸 佳(かわと すぐる)
脳生物物理学
脳海馬での精神・感情に依存する、記憶学習の生物物理学。顕微機能イメージング・電気生理と分子生物学をドッキングさせて、神経情報伝達物質が駆動する、神経シナプスでの情報受信・変換・発信の動的分子機構を解析する。
数物系
生物系
学際・複合系
太田 邦史(おおた くにひろ)
ゲノムダイナミクス制御、分子細胞生物学
生物は絶えず自らの遺伝子を変化させ、遺伝的多様性を獲得することで、外的環境の変動に適応している。特に、子孫継承のための生殖細胞と、獲得免疫を担当する免疫細胞で遺伝子再編成が重要な役割を果たす。当ラボでは、クロマチン構造やエピジェネティクスとゲノムの動的性質の関係に関心を持ち、生殖・免疫細胞における遺伝子再編成の制御の仕組みを調べている。また、その知見を利用した構成的生物学やバイオテクノロジーの研究も行っている。
生物系
石浦 章一(いしうら しょういち)
分子認知科学
認知機能に異常が見られる遺伝性疾患の発生メカニズムについて、分子細胞生物学を利用して研究を行っている。変異遺伝子を細胞に導入することにより、引き起こされる細胞機能の変化を、生化学的、生理学的に検出して、遺伝子産物の機能を明らかにする。
生物系
陶山 明(すやま あきら)
分子生物物理学、ゲノム情報科学、DNA工学
巨大ゲノムを解析するための新しい計測法やアルゴリズムを開発し、その構造と機能、進化を明らかにする研究。DNA分子や蛋白質分子、細菌を計算素子とする分子コンピュータに関する研究。分子構造・分子システムのダイナミクスから生体機能を明らかにする研究。
数物系
生物系
学際・複合系
松田 良一(まつだ りょういち)
発生生物学
動物の発生過程における筋細胞分化の開始機構を理解する目的で培養筋細胞を用いて種々の細胞外基質と成長因子の及ぼす筋細胞分化制御遺伝子の発現に対する効果を細胞生物学、分子生物学的に調べる。
生物系
奥野 誠(おくの まこと)
細胞生理学・生殖生物学
鞭毛・繊毛運動、および生命活動とそれらとの関わりについて、精子鞭毛運動の開始や活性化を調節している分子機構、生殖におけるその意義、内分泌かく乱物質や重力など生殖環境に影響を与える因子が精子の機能にどのような影響を与えているか等について研究している。
生物系
村上 裕(むらかみ ひろし)
生物有機化学・進化分子工学
分子生物学や有機化学を用いて新しいシステムを構築し、医薬や生物学研究ツールとして有用なペプチド・蛋白質を創製することを目指す。機能性分子の創製には、分子の基本設計と選択方法の構築が重要である。我々は、蛋白質合成システムである「翻訳」に化学的な改良を施し、これを機能性分子の創製に利用している。さらに、得られた機能性分子の医薬や研究ツールとしての応用を検討している。
生物系
化学系
豊島 陽子(とよしま ようこ)
生物物理学・分子生理学
細胞運動に関わるモータータンパク質の分子メカニズムの研究。遺伝子工学、再構成運動系、顕微操作、構造解析など、さまざまな手法を用いたアプローチを行う。
生物系
道上 達男(みちうえ たつお)
分子発生生物学
脊椎動物の初期発生において、胚のボディパターンや器官の分化がどのようにして規定されるかについて、細胞内シグナル伝達機構などとの関係を考えながらその分子メカニズムを分子生物学・生化学的な手法を用いて解析している。
生物系
村田 昌之(むらた まさゆき)
細胞生物物理学
新しい可視化技術とセミインタクト細胞技術をカップルさせた単一細胞内蛋白質機能・膜動態可視化解析システムを利用し、様々な生命現象(分化、ストレス応答、三大疾患、核エピジェネティクスなど)に関わる遺伝子・蛋白質ネットワークのダイナミズムを解明する。
化学系
生物系
学際・複合系
佐藤 健(さとう けん)
生化学・生体分子科学
細胞内における小胞輸送、タンパク質局在、オルガネラ形成などの生体膜を舞台とした生命現象に注目し、これらの分子メカニズムを試験管内再構成系、1分子計測系などを用いて明らかにする研究を行う。
生物系
和田 元(わだ はじめ)
植物生理学・分子生物学
植物やシアノバクテリア(ラン藻)などの光合成生物を研究材料として、チラコイド膜や光合成装置の形成、葉緑体やミトコンドリアの分化、光合成の環境適応などの生命現象のしくみについて、特に脂質の生合成・分解(代謝)と生理機能に注目しながら、分子遺伝学、生化学、細胞生物学、物理化学などのあらゆる手法を駆使して研究を進めている。
生物系
若杉 桂輔(わかすぎ けいすけ)
機能生物化学・蛋白質分子工学
「生命の不思議さ」を分子レベルで理解し、「医療に貢献できる新たな医薬品の開拓」を目指している。主に、「天然蛋白質の新規機能の探索」と「新規人工機能性蛋白質の創製」を軸に研究を行っている。
化学系
生物系
学際・複合系
坪井 貴司(つぼい たかし)
分子細胞生理学・神経科学
生体の恒常性維持に必要不可欠であるホルモン分泌や神経伝達物質放出といった分泌現象に注目し、分子生物学的手法とバイオイメージング手法を組み合わせ、分泌制御に重要なタンパク質の機能解析を通して、分泌現象の分子メカニズム解明を試みている。また分泌の特殊な形態と考えられる神経細胞でのチャネルや受容体の輸送機構の解明も試みている。
生物系
大海 忍(兼担)(おおみ しのぶ)
遺伝子動態・たんぱく質科学
細胞の増殖・分化・老化・死をはじめとする生命現象のしくみをたんぱく質の構造と機能の関係に注目しながら解析し、最終的には個体での変化を分子レベルで解き明かすことを目指す。研究手法として、たんぱく質の翻訳後修飾を見分ける特殊抗体やプロテオミクス技術を活用する。
生物系
竹内 昌治(兼担)(たけうち しょうじ)
ナノバイオテクノロジー・MEMS
生体組織を機能素子として利用し、マイクロ・ナノサイズのデバイスと組み合わせたハイブリッドなシステムについて研究している。細胞生物学、一分子生理学など生物的な知見のみならず、半導体プロセス、マイクロメカトロニクスといった工学的な知見を駆使し、生体分子モータや膜タンパク質、細胞、脳・神経の機能を解明する研究、または、そこでの要素技術を応用し膜タンパク質チップや神経インタフェースとして実用化を目指す研究を行なっている。
数物系
生物系
学際・複合系
伊藤 啓(兼担)(いとう けい)
分子神経解剖学・発生学
主にキイロショウジョウバエを用いて、分子遺伝学的手法を駆使して脳内の様々な細胞を体系的に可視化することにより、各種の一次感覚野から統合野を経て出力野に至る脳内の情報の流れの全貌を解き明かすことを目指している。またこれらの回路が形成されるメカニズムを解析している。
生物系
増田 建(系間協力教員)(ますだ たつる)
植物生理学・植物分子生物学
植物と光との関係について、葉緑体形成や光環境適応、光合成の環境適応・進化機構について、特にクロロフィルやヘムなど色素類の合成・分解の制御機構の解明を通して研究を行っている。主に植物生理学、分子生物学、生化学、分子遺伝学などの手法を用いて研究を進めている。
生物系
新井 宗仁(あらい むねひと)
生物物理学・蛋白質工学
蛋白質のフォールディング機構の解明は、第二の遺伝暗号解読問題と呼ばれる。高速反応計測、構造解析、蛋白質工学などを駆使して問題解決を目指す。また、蛋白質フォールディングの観点から生命現象を構築的に理解する。特に、新たなパラダイムである天然変性蛋白質の機能発現機構を解明する。これらの知見を蛋白質分子設計に応用する。
生物系
吉本 敬太郎(よしもと けいたろう)
生体材料・機能性分子創製科学
主に生体分子、細胞を標的・ツールとした生体材料や機能性分子の創製、及びその利用に関する研究を基礎研究レベルから応用研究レベルまで幅広く取り組む。例えば、1)培養細胞の長寿命化を可能とする三次元細胞構造体、2)超高感度検出を可能とする生体分子・細胞・遺伝子のラベル化剤、3)任意の刺激や生体高分子の特殊構造を認識して応答・切断等する機能性分子、などの開発に関わる研究が挙げられる。
生物系
矢島 潤一郎(やじま じゅんいちろう)
生物物理学・ナノバイオロジー
細胞分裂システムを構成する生体分子機械(キネシン)や分裂装置(紡錘体)の動作原理を分子のレベルで解明する。1分子ナノバイオロジーの立場から、主に光学顕微鏡を駆使して研究を進める。
数物系
生物系
酒井 邦嘉(系間協力教員)(さかい くによし)
脳機能解析学・言語脳科学
核磁気共鳴現象に基づくMRI(磁気共鳴映像法)や、SQUID(超伝導干渉計)を用いたMEG(脳磁図)などの先端的物理計測技術による脳機能の解析。特に、自然言語の文法性や普遍性・生得性といった高次脳機能を明らかにするための研究を行う。
数物系
認知・身体系
学際・複合系
風間 北斗(特任)(かざま ほくと)
知覚神経回路
ショウジョウバエをモデル動物として、感覚情報が脳内でどのように表現され、そしてどのように処理されることによって知覚が形成されるのかを、シナプス、細胞、回路から行動に至るレベルで理解する。
【この教員の指導を希望する者は、本学の常勤指導教員の監督のもと、理化学研究所で研究指導を受けることができる。】
【この教員の指導を希望する者は、本学の常勤指導教員の監督のもと、理化学研究所で研究指導を受けることができる。】
認知・身体系
工藤 和俊(くどう かずとし)
運動神経心理学・運動学習/制御論
スポーツ・ダンス・音楽演奏に代表されるヒトの巧みな運動の学習および制御機構を運動心理学、脳神経生理学、および非線形数理科学の手法を用いて明らかにする。
認知・身体系
久保 啓太郎(くぼ けいたろう)
筋・腱複合体の可塑性
ヒト生体における筋・腱複合体(特に腱組織)の加齢、トレーニングなどに伴う可塑性とそのメカニズムに関する研究を行っている。さらに、筋・腱複合体と筋機能(スポーツパフォーマンス)との関連から、健康増進およびパフォーマンス向上を目的とする運動プログラムの開発も行っている。
認知・身体系
中澤 公孝(なかざわ きみたか)
運動神経生理学・リハビリテーション医学
脊髄損傷のニューロリハビリテーションとの関連から、人間の立位姿勢や歩行を制御する神経機序、トレーニングによる神経系の再組織化、随意運動と脊髄反射の調節、などに関する研究を行っている。
認知・身体系
ジャステイン・ガードナー(特任)
認知脳科学
感覚によって得られる情報と脳内に既に蓄えられている既知情報は、脳内でいかに統合され知覚を生じるのだろうか。被験者が心理課題を遂行しているときの大脳皮質の活動をfMRIで測定することにより、知覚と脳活動をつなぐ様々な理論的モデルを評価する。
【この教員の指導を希望する者は、本学の常勤指導教員の監督のもと、理化学研究所で研究指導を受けることができる。】
【この教員の指導を希望する者は、本学の常勤指導教員の監督のもと、理化学研究所で研究指導を受けることができる。】
認知・身体系
石井 直方(いしい なおかた)
筋生理学・比較生理生化学
動物の筋からヒトの筋までを研究対象とし、筋収縮とその制御機構やトレーニングに対する適応の機構について、様々な生理生化学的手法を用いて調べている。
認知・身体系
久保田 俊一郎(くぼた しゅんいちろう)
健康科学・分子細胞生物学
1.生活習慣病と健康(運動習慣・食習慣) 2.環境因子(酸化ストレス、磁場、環境ホルモンなど)に対する生体の応答機構 3.細胞増殖・分化・癌化・血管新生の機構 4.幹細胞を用いた神経・筋肉・心臓の再生 などについて細胞レベル、動物実験、ヒト個体レベルまで統合的に研究を行っている。
認知・身体系
深代 千之(ふかしろ せんし)
スポーツバイオメカニクス
ヒトのダイナミックな身体運動を支える筋・腱連合組織の働きを力学的および生理学的な手法を用いて明らかにする。 このような実験研究に加えて、コンピュータシミュレーションも併用する。
数物系
認知・身体系
情報系
学際・複合系
福井 尚志(ふくい なおし)
スポーツと加齢による関節障害
スポーツおよび加齢による関節の障害を、腱、靱帯、半月、軟骨の4つをキーワードに、細胞、組織、実験動物、実際のヒトの病態という4つのレベルで包括的に研究し、障害の病態を明らかにすることによって予防と治療に役立つ知見を得るための研究を行っている。
認知・身体系
八田 秀雄(はった ひでお)
運動生理生化学
運動による生理生化学的代謝変化の中でも、乳酸を中心とする糖の代謝が、運動中や運動後にどう変化しているのかをマウス、ラット、ウマを使って主として研究し、さらに栄養摂取やトレーニングなどによる変化についても検討している。
認知・身体系
柳原 大(やなぎはら だい)
脳神経科学・運動生理学
運動の適応制御、学習・記憶に関する中枢神経系、特に大脳皮質運動関連領野・小脳皮質・脳幹・脊髄の機能について、分子・遺伝子レベルからスポーツ選手を含む個体の行動レベルまで統合的に理解することを目標に研究を行う。
認知・身体系
小嶋 武次(こじま たけじ)
スポーツとダンスのバイオメカニクス
合理的と考えられている運動様式の合理性の根拠を、運動生理学、解剖学、力学等の知識とコンピュータシミュレーションも用いて明らかにする。現在の研究対象はボール投げ、テニスと卓球のストローク、ゴルフのスウイング、ソフトボールのピッチング、野球のバッティング、バレエの回転動作、格闘技等。
認知・身体系
長谷川 寿一(はせがわ としかず)
動物行動学・進化心理学・比較認知科学
1)おもに鳥類、哺乳類を対象とした性淘汰の実証的研究。2)ヒトの社会生物学・進化心理学。人間行動の生物学的理解。3)人間の認知発達。4)動物の認知機能。
認知・身体系
丹野 義彦(たんの よしひこ)
異常心理学・臨床心理学
認知行動理論・社会心理学・ストレス心理学などの理論から、不安・抑うつ・統合失調症などの症状を解明し、心理的健康について考察する。質問紙法と統計分析、半構造化面接法、実験法が主な研究技法である。
認知・身体系
村上 郁也(むらかみ いくや)
心理物理学・認知神経科学
人間の認知情報処理メカニズムの実証的研究。現象観察、知覚実験、生体計測などの手法を用いて、我々の視知覚の諸特性を調べ、特定の視覚機能をもたらす中枢神経機構を推定する。
認知・身体系
学際・複合系
広域システム科学系
池上 高志(兼担)(いけがみ たかし)
複雑系の科学
人工生命システムを実空間に持ち出す。そのためのいろいろな方法論の研究。対象としては、マシンの意識プロセスや、生命の自律性について議論する。
数物系
生物系
学際・複合系
斎藤 晴雄(さいとう はるお)
物理学実験
電子の反粒子である陽電子や、その束縛状態であるポジトロニウムの実験的研究、ガンマ線の高精度計測法の開発と応用、PETの改良の研究、放射線物理学。実験は主に15号館で行う。小規模であってもピリッと辛い実験を目指している。
数物系
松尾 基之(まつお もとゆき)
環境分析化学
環境中の種々の元素の自然な分布と挙動に対して人間活動が与える影響について、分析化学的立場から研究している。特に、人為起源と天然起源の鉄の化学状態の違いに着目し、干潟や都市河川の環境分析を行っている。また、東京湾や海洋底の堆積物を分析することにより、過去の環境の推定なども行っている。
化学系
佐藤 守俊(さとう もりとし)
分子イメージング・ケミカルバイオロジー・生命分析化学
生きた細胞内および生体・組織における生体分子の挙動を可視化するオリジナルな方法論を開発し、生体機能と疾患を分子レベルで明らかにする。
化学系
生物系
学際・複合系
瀬川 浩司(せがわ ひろし)
光エネルギー変換
次世代太陽光発電のための有機系太陽電池の開発をはじめとする革新的光電変換の研究、自己組織化した分子集合体の物理化学、πラジカル配列分子系の導電性や磁性など、さまざまな機能分子系に関する研究を行う。将来のエネルギー問題の解決につながる幅広い研究を進める。実験は先端研で行う。
化学系
嶋田 正和(しまだ まさかず)
集団生態学・進化学
実験系や野外での生物集団の個体数変動、宿主と寄生者の相互作用と共進化、分子系統解析、社会生物学と化学コミュニケーション、表現型可塑性や学習行動の迅速な適応性、保全生態学など、実験・野外調査・シミュレーション解析を併用して広く研究している。昆虫、小動物などを材料とすることが多い。
数物系
生物系
学際・複合系
伊藤 元己(いとう もとみ)
植物進化学・生物多様性情報学
植物の進化と多様性情報に関する研究をしている。植物の種分化機構、形態進化の分子生物学的解析を中心に、植物の進化生態学、進化遺伝学、保全生物学などの分野の研究を広く行っている。また、生物多様性の持続的利用をめざして、大規模生物多様性情報の集積、解析方法の研究も行っている。
生物系
情報系
学際・複合系
増田 建(ますだ たつる)
植物生理学・植物分子生物学
植物と光との関係、葉緑体形成や光環境適応、および光合成の環境適応・進化機構について、特にクロロフィルやヘムなど色素類の合成・分解の制御機構の解明を通して研究を行っている。主に植物生理学、分子生物学、生化学、分子遺伝学などの手法を用いて研究を進めている。
生物系
吉田 丈人(よしだ たけひと)
個体群生態学・湖沼生態学
(1)淡水環境にすむ動植物プランクトンからなる実験生態系を用いて、生態ダイナミクスと進化ダイナミクスを研究している。特に、自然生態系に生きる生物たちの個体数がどんなパターンで変化するか、またそのパターンがどんな生物学的メカニズムによって形作られているのか、という課題を扱う。(2)湖沼生態系の自然再生に向けた基礎的研究を行っている。富栄養化や浮葉植物の繁殖などが湖沼の生物群集に与える影響や、湖沼と水田を結ぶ水系ネットワークの改変がコイ科魚類に及ぼす影響を評価している。
生物系
学際・複合系
佐藤 直樹(系間協力教員)(さとう なおき)
生命システム
従来の生物学は遺伝子やタンパク質などの部品中心に進められてきたが、「部品の科学から生きていることの科学へ」という目標を掲げて、生き物が生きていることそのものを研究してゆく。光合成から代謝、代謝から細胞分裂、細胞集団から超細胞構造、生物集団の進化、など異なるレベルの生命現象を結びつけているしくみの解明を目指す。
生物系
学際・複合系
磯崎 行雄(いそざき ゆきお)
地球科学・生命史
1)史上最大規模の生物大量絶滅事件と「プルームの冬」仮説、2)プレート沈み込みによる造山運動プロセス、3)全球凍結からカンブリア爆発に至る生命史と環境変遷史。
数物系
生物系
蜂巣 泉(はちす いずみ)
天体物理学
宇宙の中で起こる様々な流体力学的現象を数値流体力学の手法を用いて解明する。また、そのための新しい計算コードの開発なども行う。特に、超新星爆発や新星爆発などの星の爆発現象、連星系中のガスの流れ、また高密度星団中の星の衝突や合体などを追いかけることを計画している。
数物系
小河 正基(おがわ まさき)
固体地球物理学
地球内部、特にマントルが熱・化学的にどのように進化したか、その結果地球の活動様式はどう変化したかを明らかにすることを目的とし、地球内部での対流運動と火成活動の数値シミュレーションを行っている。さらに地球で得られた知見を他の惑星にも応用している。
数物系
梅田 秀之(兼担)(うめだ ひでゆき)
天体物理学
超新星爆発やガンマ線バーストの発生機構を解明するために恒星の進化計算や、爆発の数値シミュレーションを行っている。また、それらの爆発時の元素合成を計算し宇宙の元素の起源を研究している。その他、宇宙の初代星の性質や、その観測可能性を調べている。
数物系
小宮 剛(こみや つよし)
地球生命環境進化
地球史46億年の固体地球と表層環境変動の解読とその生命進化への影響について研究している。例えば、1)過去35億年の海水温度などの表層環境解読と全球凍結、2)リン、窒素、Moや鉄などの海水栄養塩濃度の変化と多細胞動物出現やカンブリア大爆発の原因の解明、3)冥王代地球の固体地球・表層地球解読と他の惑星、4)マントル温度の経年変化によるテクトニクスの変遷や大陸成長と気候変動、5)過去35億年の海水組成(栄養塩、酸素濃度や塩濃度)の復元と生命進化への影響等。
数物系
学際・複合系
加藤 道夫(かとう みちお)
建築設計論・建築図論
建築設計がどのような理論や手段にもとづいて行われるか、設計システムとしてどのように捉えられるかについての研究を行っている。特に、建築設計過程における図の有用性、並びに、設計内容や設計理論の伝達手段として図が果たす役割が現在の主たるテーマである。これらは、歴史的観点と実践的観点の双方から捉えられる。
情報系
人文系
学際・複合系
山口 和紀(やまぐち かずのり)
データモデル
さまざまな対象に対して、そのコンピューターのモデルを研究している。これまでに扱った対象には、ウェブ、講義データ、網膜部位対応、議論、立体、学習、ゲーム、暗号などがある。モデルには、非有基的集合論、グラフ構造、ガロア束、確率的勾配法、自己組織化、主成分分析、LA推論、再帰的空間構造、正規表現、評価関数、離散格子などがある。http://www.graco.c.u-tokyo.ac.jp/?yamaguch/
情報系
山口 泰(やまぐち やすし)
視覚メディア
人間の視覚の性質を解明するとともに、その性質を利用した画像情報や形状情報の計算機処理手法について研究している。画像補完、映像修復、絵画風画像の生成、視覚復号型暗号、画像ベース描画、GPU等のマルチコア応用、曲面の処理技術などが主な研究対象である。
認知・身体系
情報系
学際・複合系
植田 一博(兼担)(うえだ かずひろ)
認知科学・知能情報学
コミュニケーションを通した学習・協調問題解決、芸術における創造的活動、スキルの熟達化などの人間の認知や知能にかかわるダイナミックな現象の特徴やメカニズムを、心理実験・脳機能計測・コンピュータシミュレーション・インタビューと質問紙調査などの方法を駆使して解明する。また、知的な主体としての人間とそれを取り巻く社会や環境との相互作用によって生まれる様々な社会・経済現象(例えば、金融バブルやイノベーションの発生、商品の普及過程など)のメカニズムを解明する。
認知・身体系
情報系
学際・複合系
金井 崇(かない たかし)
コンピュータグラフィックス
コンピュータグラフィックス(CG)のための要素技術、およびその応用に関する研究を行っている。幾何形状モデリング、レンダリング、アニメーションといった基礎技術をはじめとして、設計・製造における計算機支援、デジタルアーカイブ、Webグラフックス、医用・生体グラフィックス、地殻構造モデリング、GPUコンピューティングなどの広範囲な応用技術をその対象としている。
情報系
中村 政隆(なかむら まさたか)
離散数学
半順序集合、束、グラフ、マトロイド、凸幾何、閉包システムなどを研究対象とする。特に、多面体の凸性の抽象化である凸幾何と、凸幾何を含む一般の閉包システムとその計算幾何学への応用を研究している。その応用には、含意システム(関係データベースの関数従属)、形式概念分析 (formal concept analysis)、知識空間 (knowledge space)、論理学などが含まれる。これらの諸課題を統一的な視点から研究をすすめている。
数物系
情報系
藤垣 裕子(ふじがき ゆうこ)
科学技術社会論・科学計量学
科学技術と社会との接点に発生する課題を対象に、Research-on-Research、その数量的分析、参与観察、インタビュー、質問紙法等の方法を駆使して、複数の事例についての研究をすすめる。食の安全性、技術の安全性、環境保全をめぐる住民運動、科学技術のガバナンスへの市民参加、一般人の科学リテラシーと科学者の社会リテラシーなどが研究対象となる。
情報系
人文系
学際・複合系
増原 英彦(ますはら ひでひこ)
ソフトウエア科学
プログラミングを楽に、楽しくするための研究を行っている。そのために、新しいプログラミング言語や言語機能、処理系の高速化手法、大量データ処理機能を活かした開発環境、などの提案・作成を行っている。キーワードとしては、アスペクト指向プログラミング、柔らかいモジュール、部分計算、連想検索、GPGPU、領域特化言語、軽量言語、仮想機械、実行時最適化、逆戻りデバッガなど。
情報系
横山 ゆりか(よこやま ゆりか)
人間-環境系研究、環境デザイン論
人がつくる都市や建築といった構築環境を、人がどのように認知し(環境心理)、その中でどのように行動・利用するか(環境行動)について研究している。また、そのような人間-環境系研究の視点を構築環境のデザインに反映するための方法論について研究している。
情報系
認知・身体系
開 一夫(ひらき かずお)
発達認知神経科学・発達学習システム論
発達/適応的に変化するシステムの基本原理を、計算機・ロボットを用いた機械学習システム・認知モデルの構築と、ヒト乳児を対象とした行動実験・脳活動計測を通じて研究している。また、TV、TVゲームといったメディアが子どもに与える影響についてNIRS、EEG、fMRI等を用いて研究している。
認知・身体系
情報系
学際・複合系
柴山 悦哉(協力講座)(しばやま えつや)
ソフトウェア
プログラミング言語、システムソフトウェア、ソフトウェアセキュリティ、ユーザインタフェースソフトウェアなど、ソフトウェアに関するさまざまな研究を行ってきた。目指しているのは、ユーザが情報システムを容易に利用できるようにすることと情報システムの信頼性を向上させることである。
情報系
田中 哲朗(協力講座)(たなか てつろう)
ゲーム情報学
完全情報ゲーム(囲碁将棋等)、不完全情報ゲーム(ブリッジ等)などを対象に、探索アルゴリズム、並列処理、機械学習、計算複雑性、プログラミング言語処理系など幅広い分野を研究対象にしている。http://media.itc.u-tokyo.ac.jp/ktanaka/index-j.html
情報系
Fukunaga Alex
人工知能
自律エージェントにおける意思決定・行動計画(プランニング問題等)や、複雑な組み合わせ最適化問題(スケジューリング問題等)に対するアルゴリズム(厳密アルゴリズム、及び進化計算等のメタヒューリスティクス法を含む)の研究を、実用的なアルゴリズム及びシステムの実装を中心に行う。
情報系
荒井 良雄(あらい よしお)
人文地理学
人文地理学の方法をベースとした都市地域の研究を行っている。最近は、人口移動、流通と都市空間、企業/住民の情報行動の空間性、IT企業の立地分析などを中心テーマとしている。また、少子高齢化の地理的側面についても関心を持っている。
人文系
相関基礎科学系
石原 孝二(いしはら こうじ)
科学技術哲学・科学技術倫理学、現象学
科学技術の哲学・倫理学および現象学を専門としている。最近では特に脳科学技術やロボティクスの哲学と倫理学、精神医学の哲学、当事者研究の哲学などを中心に研究している。
人文系
岡本 拓司(おかもと たくじ)
科学史・技術史
相対論・量子力学を中心とする現代物理学の歴史を、学説史・社会史の両面から検討しようと試みている。また、電力政策史の研究を通して、技術と産業の関わりについて考察している。科学技術と社会の接点全般に関心を抱いている。
人文系
学際・複合系
信原 幸弘(のぶはら ゆきひろ)
科学哲学・分析哲学
現代英米哲学および認知科学の基礎論という観点から心の哲学を研究している。また、脳科学およびその実用的応用をめぐる哲学的・倫理的な諸問題および脳科学リテラシーの研究も行っている。
人文系
橋本 毅彦(はしもと たけひこ)
科学技術史
近代以降の科学技術の歴史を研究する。最近は、空気力学と航空工学の歴史、科学技術における実験機器や視覚図表の役割、時間や標準をめぐる科学技術の社会史などに関心がある。
人文系
廣野 喜幸(ひろの よしゆき)
近代科学史・科学技術倫理
18〜21世紀の生物学史・医学史を、生命思想・医学思想・環境思想・倫理思想の側面から探求している。また、現在の生命操作技術について、あるいは科学技術コミュニケーションについて、科学技術社会論の観点から考察している。
人文系
学際・複合系
上野 和紀(うえの かずのり)
薄膜・界面の電子物性
半導体デバイスを物性研究へ応用することで薄膜・界面に新しい電子機能を発現させる研究を行っている。具体的には遷移金属酸化物などの単結晶へトランジスタデバイスを開発することで、電気の流れない絶縁体とされてきた材料への電場誘起による超伝導性の発現、磁性体での磁性やスピン秩序の電気的な制御など新材料・新機能デバイスの実現を目指して研究を行っている。
数物系
大川 祐司(おおかわ ゆうじ)
素粒子論
量子論と一般相対性理論を矛盾なく統一する理論的な枠組みの構築に重要な役割を果たすと考えられている超弦理論を主に研究している。未完成な理論である超弦理論の非摂動的定式化に向けて、特に弦の場の理論、行列模型などのアプローチを中心とした研究を行っている。
数物系
風間 洋一(かざま よういち)
素粒子論・超弦理論・場の量子論
素粒子と時空の統一理論としての超弦理論(及びその背後にあると思われている「M理論」)の基本的定式化と非摂動的ダイナミックスを、双対性、超対称性、ゲージ対称性、共形不変性等の対称性の構造や繰り込み群の手法などを用いて研究する。
数物系
加藤 光裕(かとう みつひろ)
素粒子論
超弦理論を中心とした素粒子の統一理論・量子重力の諸問題の研究。特に、プランクスケールにおける量子的時空構造や無限次元対称性・離散的対称性の解明を中心に進めている。その他、場の量子論の非摂動論的研究。
数物系
菊川 芳夫(きくかわ よしお)
素粒子論
場の量子論の非摂動論的研究。特に、格子ゲージ理論を用いたカイラルゲージ理論の非摂動的な構成とそのダイナミクスの研究。ヒッグスセクターの構造の解明や宇宙のバリオン数非対称性の理解をめざす。
数物系
松井 哲男(まつい てつお)
原子核理論・高エネルギー核反応論
高温・高密度の核物質、ハドロン物質のクォーク物質への転位の研究。その超高エネルギー原子核衝突による生成・時空発展とそのプローブを、場の量子論、熱・統計力学、流体力学、運動論等の様々な手法を使って研究している。
数物系
和田 純夫(わだ すみお)
素粒子物理学・量子論
量子宇宙論および多世界解釈的観点をふまえながら、量子力学の解釈問題を考える。特に、確率的概念を含まない、実在論的見方のできる量子論の解釈を展開する。また、その認識論上の意味を探る。
数物系
加藤 雄介(かとう ゆうすけ)
物性理論・統計物理
凝縮系の量子物性に関する理論的研究。
特に
(1)ボース・アインシュタイン凝縮、超流動、超固体の理論
(2)異方的超伝導体における量子渦の内部構造と素励起の理論
(3)量子可積分系(Calogero-Sutherland 模型)の相関関数の厳密解が近年の主な研究テーマである。
(1)ボース・アインシュタイン凝縮、超流動、超固体の理論
(2)異方的超伝導体における量子渦の内部構造と素励起の理論
(3)量子可積分系(Calogero-Sutherland 模型)の相関関数の厳密解が近年の主な研究テーマである。
数物系
国場 敦夫(くにば あつお)
可積分系・数理物理
スピン系や場の理論における可解模型を素材として、量子・古典可積分系の数理構造、対称性を深く理解し、統計物理、非線形波動、表現論などへの応用をおこなう。
数物系
清水 明(しみず あきら)
量子物理学・物性基礎論
ミクロ量子系からマクロ量子系へのつながり、非平衡統計力学、量子測定に伴う測定誤差と反作用、及び、これら相互の関連など、基礎的・原理的問題を、具体例を考えながら考察する。
数物系
氷上 忍(ひかみ しのぶ)
物性理論・統計力学
ランダム系の相転移、メソスコピック系でのゆらぎ、超伝導ゆらぎ、量子カオスなど無秩序系を中心に統計場の理論の方法、およびランダム行列理論を用いて研究している。
数物系
福島 孝治(ふくしま こうじ)
物性理論・統計物理
スピングラスや制約充足問題のように競合する相互作用が引き起こす相転移や遅い緩和現象の統計力学的研究。モンテカルロ法に代表される計算物理の手法開発。
数物系
吉岡 大二郎(よしおか だいじろう)
物性理論
多電子系の基礎的研究。特に、低次元、強磁場下などの通常とことなる状況下で、電子間相互作用によって起こる興味深い現象(量子ホール効果、高温超伝導など)の解明。量子統計力学、場の理論、計算機シミュレーションなどを用いる。
数物系
小宮山 進(こみやま すすむ)
量子物理
固体素子によるキャビティQEDや電子や核スピン系のエンタングルメント状態に着目し、半導体微細加工技術を武器とし、電気計測技術を手段として研究。(極限計測)量子物理の基礎的成果を新計測技術開発につなげる。現在、単一テラヘルツ光子検出器を近接場光学技術と組み合わせ、生体高分子まで観察対象とする走査型テラヘルツフォトンカウンティング顕微鏡を実現しつつある。
数物系
深津 晋(ふかつ すすむ)
量子ナノ構造の物性・シリコンフォトニクス
1)量子ドットなど半導体ベースの極微構造における光と物質の相互作用の解明とデザイン。2)シリコンフォトニクスのための光制御に関する研究。 具体的には、光学非線形性を利用した光子対発生・単一光子検出、新原理にもとづくシリコンレーザー・光増幅器、近赤外有機物レーザーほか、これらのための先端計測法の開発など。
数物系
前田 京剛(まえだ あつたか)
量子凝縮系物性物理学
物質中の電子が示す量子凝縮現象・巨視的量子現象について(a)新現象の探索(b)メカニズム解明(c)それらの応用などについて実験的研究を行う。現在のテーマは(1)高温超伝導体の物性(2)巨視的量子コヒーレンスと量子ビットへの応用(3)超伝導量子渦のダイナミクス、特にTHz領域の物性と摩擦の物理への応用など。
数物系
酒井 邦嘉(さかい くによし)
脳機能解析学・言語脳科学
核磁気共鳴現象に基づくMRI(磁気共鳴映像法)や、SQUID(超伝導干渉計)を用いたMEG(脳磁図)などの先端的物理計測技術による脳機能の解析。特に、自然言語の文法性や普遍性・生得性といった高次脳機能を明らかにするための研究を行う。
数物系
認知・身体系
学際・複合系
松田 恭幸(まつだ やすゆき)
粒子線物理学
これまでにない特徴をもった粒子ビームの生成とその応用をめざす。昨年の反水素原子の合成の成功に引き続き、反水素ビームを用いた超微細構造の分光実験にむけて研究を行っている。同時にミューオニウム原子の分光実験やミューオニウム原子を用いた化学反応研究へむけての開発も進めている。
数物系
斎藤 文修(さいとう ふみのり)
陽電子物性
陽電子を用いた物性の研究を行っている。具体的には、(1)ポジトロニウム(電子と陽電子の束縛状態)を用いた微粒子表面電子状態の研究、(2)ポジトロニウムと気体分子の相互作用の研究、(3)低速陽電子ビームによるイオン照射ポリマーの改質効果の評価、(4)表面・薄膜材料の機械的強度測定法の開発。
数物系
久我 隆弘(くが たかひろ)
量子エレクトロニクス・物理学温故知新
(1)冷却された原子や半導体量子ドット等と、微小共振器・光導波路を組み合わせることで、より簡便な単一光子源を開発する。将来的にはエンタングル状態を生成し、量子計算等への応用を図る。(2)光に関する古い時代の実験を現代の技術で再現し、学問の本質についての理解を深めるのと同時に新たな技術・応用について模索する。
数物系
鳥井 寿夫(とりい よしお)
原子物理学・量子光学
(1)原子気体のボース・アインシタイン凝縮体(原子レーザー)を用いた量子原子光学の研究、特に原子のフォック状態生成や量子情報操作。(2)フェルミ縮退原子気体の研究、特に極低温極性分子の生成および電子の永久双極子モーメント(EDM)の探索、超伝導物質の量子シミュレーション。
数物系
染田 清彦(そめだ きよひこ)
非線形ダイナミクス・化学反応理論
ミクロとマクロを繋ぐメソ時間スケールダイナミクス、量子系のカオス散乱、多谷ポテンシャル上のダイナミクス、強い外力を受けた量子系の振舞、化学反応、強レーザー場中の分子などのモデル化を通じて普遍的な法則性を追求する。
数物系
化学系
高塚 和夫(たかつか かずお)
分子非線形動力学理論
(1)Born-Oppenheimer概念を超える分子動力学理論。(2)超高速の化学反応の理論:アト秒スケールの非断熱電子動力学と、レーザーによる電子状態制御を通した化学反応のコントロールの理論。フェムト秒スケールの量子核波束の実時間写像。(3)多自由度古典カオス系の量子化のメカニズム、および、WKBを超える量子動力学の多体理論。(4)クラスター等の有限多体系における集団運動と、多チャンネルの化学反応理論。表面化学反応や細胞増殖系などにおける形態形成の理論。
数物系
化学系
遠藤 泰樹(えんどう やすき)
分子分光学・分子構造論
フーリエ変換マイクロ波分光法、レーザー分光法などの高分解能分光の手法を用いて、反応中間体として存在するフリーラジカルや、ラジカル錯体の分子構造、及びそのダイナミクスを研究する。
化学系
永田 敬(ながた たかし)
クラスター物理化学・イオン反応化学・反応動力学
分子クラスター(=分子集合体)や分子イオンの構造・反応・ダイナミクスに関するレーザー分光、レーザー光化学および量子化学計算による研究。水素結合ネットワークの構造転移ダイナミクス、環境・大気化学に関わるクラスターイオンの構造と反応、新規な溶液イオン・ラジカルイオンの精密気相プロービングなど。
化学系
真船 文隆(まふね ふみたか)
レーザー化学・反応物理化学
ナノ・サブナノメートルの原子の集合体(ナノ粒子・クラスター)の生成、構造、反応に関する実験研究。ナノ粒子・クラスターの気相・液相合成およびコンビナトリアルケミストリーによる機能性物質の超高速探索。高活性触媒の元素代替を目指す。
化学系
小島 憲道(こじま のりみち)
物性化学
遷移金属錯体を主体とした分子集合体を対象に、混合原子価状態が示す多彩な物性現象の研究、スピンクロスオーバー錯体のスピン転移とその光制御、有機・無機複合錯体における伝導性および磁性の光制御、磁気光学効果の研究を行っている。
化学系
長谷川 宗良(はせがわ ひろかず)
高強度レーザー科学・分子分光学
高強度レーザー光と気相分子・イオンの相互作用の解明。フェムト秒レーザー光を用いた実時間測定、および高分解能レーザー光を用いた状態分布計測などを行う。また、短パルス生成、軟X線発生、分子配列などの高強度レーザー光を利用した応用実験。
化学系
増田 茂(ますだ しげる)
固体表面科学
遷移金属や半導体の単結晶表面に特有な物性や表面反応に関する実験研究。種々の電子分光や電子放射顕微鏡を用いて、固体表面の電子状態や振動状態を観測し、物性・機能性発現の微視的機構や表面反応ダイナミクスの解明を目指す。
化学系
平岡 秀一(ひらおか しゅういち)
超分子化学
配位結合、水素結合、ファンデルワールスカなどの分子間相互作用を利用し、人工機能性超分子を開発する。(1)内外が精密機能化された金属錯体型ナノカプセルの開発。(2)疎水表面の精密デザインに基づく水溶性ナノカプセルの構築。(3)超分子キラルホストによる動的分子認識化学。
化学系
錦織 紳一(にしきおり しんいち)
包接集合体化学
多次元骨格構造をもつ超分子的金属錯体およびそれらをホストとする包接体の設計合成と、その構造を利用した反応場や物性の開拓。X線回折法、固体NMR、熱測定、誘電率、中性子散乱などによる構造解析、ゲスト分子の動的挙動の解析およびそれらに関連する物性研究など。
化学系
小川 桂一郎(おがわ けいいちろう)
有機物理化学・有機結晶化学
結晶をはじめとする分子集合体中における有機分子の動的な挙動の解明と制御を目指した研究を行う。サーモクロミズム・フォトクロミズムを示す新規物質の開拓と機構の解明、および結晶中の分子運動と反応機構の解明が主なテーマである。
化学系
尾中 篤(おなか まこと)
触媒有機化学
有機分子の分子径と同程度の微小な細孔空間を持つ多孔質の固体酸触媒や、触媒作用を示す金属種を細孔壁面に埋め込んだ多孔質触媒を開発することにより、効率的でしかも高選択的な有機反応を誘起する研究を行っている。
化学系
村田 滋(むらた しげる)
有機光化学
有機化合物を光励起することによって発生する原子価欠損型あるいは電荷分離型短寿命化学種の構造と反応性を、生成物解析および直接観測によって明らかにし、人工光合成あるいは光機能性材料への展開を図る。
化学系
澤井 哲(さわい さとし)
生命システムの物理学・定量的生物学
複雑な生命システムに固有な動的性質と構造化を、非線形動力学と統計力学的な視点から明らかにする。特に、細胞、多細胞体制の機能発現と創発にともなう自己組織化現象とその進化に注目している。細胞性粘菌の細胞間シグナリング、走化性、細胞分化をモデル系として、力学系理論、情報理論に基づいた計測と解析をおこなう。また、これらのための分子遺伝学的な機能解析、可視化技術、測定系の開発を進めている。
数物系
生物系
学際・複合系
若本 祐一(わかもと ゆういち)
生物物理学
生物の適応・分化・進化などの動的現象の原理の探索。それに必要な構成的実験手法と、微細加工技術や細胞イメージング技術などを応用した定量的な生物計測・解析ツールの開発。現在は主にバクテリアの致死的環境への適応、ES細胞分化の一細胞計測、リポソームを用いた人工細胞モデルの研究を進めている。
数物系
生物系
学際・複合系